アラスカホワイトフィッシュ 3つの漁法

引き網漁 (Trawling) 漁獲種:スケトウダラ、カレイ種

引き網漁 (Trawling)

スケトウダラとカレイ類を漁獲するための漁法です。これは袋状になった網を漁船で引く方法で、袋の口の上部分(ヘッドロープ)には浮きを、下部分(フットロープ)には重りを取り付けて海中を移動します。引き網漁は漁師の力量が問われる難しい漁の一つ。特に遠洋ではワイヤーなどが海底に達して深海動物の生息地を破壊しないよう、最大の注意と技術が必要です。

船体は一般的に70~200フィート(約21.4~61m)以上。国家海洋漁業局(MNFS)によって、ベーリング海とアリューシャン列島の広大な水域はカニやアシカなどを保護するために引き網漁は一切禁止されており、ほかの水域でもその年のシーズンごとに漁業範囲が設定されます。

また混獲(バイキャッチ)ーー 狙った魚種以外の魚を偶発的に捕ってしまうこと ーー にも規制があり、スケトウダラやカレイ類以外の魚種を漁獲し、その魚種がシーズンの制限漁獲量に達してしまうと漁は終了。スケトウダラやカレイ類もこれ以上漁獲することができません。
近年ではそんな混獲を防ぐため、船に最新の超音波装置を設置。水面下の魚群の位置が明瞭になり、魚種の特定までも可能になりました。

漁獲された魚は、引き網船がファクトリートレーラー、もしくはフリーザートレーラーと呼ばれる加工船も兼ねていれば、魚をその場で選別して新鮮なまま加工。一方、単なる捕獲船の場合は、フローティングプロセッサーと呼ばれる洋上加工船か陸上の加工場に搬送します。この時でも要する時間は2~3時間。船倉の冷蔵タンクに魚を保存し、品質や鮮度を最高の状態に保つように整備されています。

はえ縄漁 (Longline) 漁獲種:オヒョウ、ギンダラ、マダラ

はえ縄漁 (Longline)

はえ縄漁はオヒョウやギンダラ、マダラを獲るために用いられる漁法で、オヒョウはこのはえ縄漁によってしか漁獲が認められていません。はえ縄はグラウンドライン(幹縄)、ブイライン(浮縄)、そして短いガンジョン(枝縄)で構成されています。餌の付いた枝縄が2~3ヤードおきにグラウンドラインに結びつけられ、海底に沿って設置されます。また浮縄はグラウンドラインの両端につけられて、魚がかかったことを知らせるのです。

はえ縄漁船は漁師個人の所有の場合が多く、50フィート(約15.3m)程度の小サイズが一般的です。乱獲を防ぐために国際太平洋オヒョウ委員会(IPHC)と国際海洋漁業局(NPFMC)は漁業シーズンを繰り返し縮めるなど、これまで厳しい漁獲規制が行なわれてきました。
はえ縄の釣り針は一度にに一つずつ揚げられ、漁師はオヒョウ、ギンダラ、マダラ以外の魚種が釣れた時にはフックから丁寧に外して、水揚げせずに生きたまま海に返します。そのためはえ縄漁は混獲の少ない漁法として知られています。

カゴ漁 (Pots) 漁獲種:ギンダラ、マダラ

カゴ漁 (Pots)

3番目の漁法はカゴ漁です。これはギンダラとマダラに用いられる漁法。使用されるのは、スチール素材でつくったカゴ枠を網状のネットで覆った大きなカゴです。カゴには罠用のトンネルがつくられ、魚がカゴの中にあるエサを求めてトンネルを通ったら最後、決して抜け出す事はできません。この漁はカゴを海に沈めて魚がかかるのを待つ漁なので、漁獲された魚はカゴごと船に引き上げられた後、目的とする魚種以外は生きたまま海に放流されます。

近年では環境への対策も推進し、以前のように漁具が海中で紛失されることはほとんどありません。長年にわたって起こっていた"ゴーストギア"(漁業に伴って紛失した漁具)の問題は、使用するケーブルや網などの道具の改善、漁法の向上により大幅に減少されました。万が一、カゴが船から外れて漂流してしまった場合でも、中にいる魚が脱出できるような生分解性パネルを使用しなければならないという規定が、アラスカ白身魚漁業振興会によって定められています。

またカゴを引き上げる際、偶発的に海鳥を巻き込み傷つける事のないように厳しいルールも設けられています。